電車なくなっちゃったから、彼氏とホテルに泊まってっていい?
突然、高校生の子どもにこう言われたらどうしますか?
これは、彼氏がいることは知っていたけれど、門限は23時と決めていて、お子さんも今までは守ろうとしてきたBさんのお話です。
きっかけは彼氏との遠出
その日、彼氏とデートだということは聞いていたというBさん。
今までもデートは何度もしているようで、そのときは門限の23時には帰るよう努力していたそうです。ただ、彼氏が別れ際に「もうちょっと一緒にいたい」とか「あとちょっとだけ」など言って、帰宅がギリギリになり、最寄駅から走って帰ってくるようなことも出てき始めていたのが気になっていたとのこと。
そして、ある日、隣県の大きな花火大会を彼氏と見に行くと聞きました。隣県とはいえ、日帰り旅行先としても有名で、場所としてはそれほど心配していませんでした。
しかし、23時になっても子どもが帰らず、電話にも出ずに心配していたところ、メッセージが届いて冒頭の「電車なくなっちゃったから、彼氏とホテルに泊まっていい?」になったのです。
いくら日帰り旅行で有名とはいえ、23時を回っているので、本当にもう電車がありません。
正直、その瞬間はいろんなことが頭をよぎったそうです。
- なんで約束(門限)を守ってくれないの?
- 高校生なのにカップルで宿泊しようだなんて何考えてるの?
- どうせまた彼氏が帰らせないために、わざともたついてたんじゃないの?
- 彼氏の親は何も言わないの?
- 明日の学校はどうするつもり?
でも、怒りに身を任せていても、ただただ時間が過ぎるだけです。そして、タクシーで帰ってこいというには距離がありすぎます。
結局、Bさんはどうされたのでしょうか。
深夜にマイカーで迎えに
結局、Bさんはマイカーで、深夜に約2時間かけて迎えに行ったそうです。
「台風が近づいている雨の中、高速道路を運転するのは怖かった」そうおっしゃるBさん。運転しながら、いろいろ考えたそうです。
彼氏との宿泊の打診…宿泊するということは…と思うのが親心ではないでしょうか。実はBさんは、少し前にお子さんから彼氏とすでに体の関係があるということを聞いていたそうです。
「そうだったら、どう思う?」と娘さんに言われて言葉に詰まったとか。でも、ダメと言っても監視するわけにもいかないし、なんでダメなのかと聞かれたらなんでだろう…と一瞬の間にグルグルと考え、結局お子さんに伝えたのは
- 妊娠しないように正しい知識で対処することは必要。それを話せる関係であることが大切。
- 妊娠して傷つくのは女性。産むにしても諦めるにしても、心身ともにツライ。
- どちらかがそうしたくないのに無理強いをするのはよくない。
- 嫌なときは嫌と言える強さも必要。
- 自分を大切にしてほしい。
親としての戸惑いを持ちつつも、このようなことを話されたそうです。
なので、いつか「彼氏と旅行に行きたい」などを相談されるかも…と思うことはあったそうですが、まさか「電車がなくて帰れないから泊まってきたい」と言われることは想定していなかったとのこと。
娘と以前その話をした時に、積極的にいつでもそういうことをしたいというわけじゃないけど…のようなことを言っていたので、それを目的に電車を乗り過ごしたんじゃないだろうと思ったし、電話は最初通じなかったものの連絡はすぐについたので、親に嘘をついてでも…というわけでもないんだろうとも思ったし。
と運転しながら考えつつ、到着したら何を言うのか…と考えていたそうです。
娘の彼氏のことは変えられない
現地に到着し、子どもと彼氏と合流し、帰路に着く前にコンビニの駐車場に車を停めて、まずは少し話をしたそうです。
- 条例により、未成年は保護者なしで深夜外出してはいけないこと。
- ホテルなども原則、未成年の宿泊には保護者の同意が必要なこと。
- 義務教育は終わっているとはいえ、自分が望んで高校に進学しているのだから、学校生活をないがしろにしないこと。(翌日学校があるのに、登校できない場所で泊まることを考えるのはおかしい)
- 我が家の門限は23時で、先ほどの深夜外出NGの時間も23時から。23時には絶対に帰宅すること&娘を帰宅させること。
我が子だけでなく、彼氏にも話をし、「すみませんでした」と言われましたが…。
また、約2時間かけて帰ってきて、自宅に戻る前に彼氏の家に彼氏を送り届けたわけですが、早朝に近い深夜なので、彼氏のご家族とは特に話をせずに、自宅の近くでおろして、そして帰宅しました。
彼氏の家に立ち寄ったのは遠回りですが、彼氏だけそのへんに置いてくるわけにはいかないのでしょうがない…と思いつつ、心の中では「彼氏の親はいったいどんな人なのだろう?何を考えてるのだろう?」と思うわけですね。
帰宅のタイミングで話ができないのは時間的にしょうがないですが、後日のお礼があるかと思いきや、いっさい音沙汰なく、がっかりしたそうです。
門限どおりに帰宅できなかったのは彼氏のせいだけではなく、強い意志を持てなかった自分の娘のせいでもあります。でも、嫌われたくないという女心もあるでしょうし、強く言えない性格もあります。
それでも、よそ様のご家庭に口を出すわけにはいかないので、自分の家庭の親子の対話をするしかないんだなって思いました。
とおっしゃるBさん。その後はどうだったのでしょう。
正直なところ、娘も私が言っていることの理解はしているけれど、彼氏と一緒にいたいし、向こうにもそう言われたら断れない…ということで、門限ギリギリだったり、少し遅れたりというのは続きました。さすがにもう「電車がないから帰れない」と言われることはなかったですが(苦笑)
なかなかすっきりさっぱり、門限をきっちり守って親が安心できるような行動…とはいかないものですよね。
ただ、娘さんはその後、門限をこの頃よりも意識するようになりました。そのきっかけは、結局、親とのやりとりというよりは、自分自身の生活リズムをキツく感じたからだそうです。
23時ちょっと過ぎに帰宅して、それからお風呂に入って…となると、寝るのが遅くなってしまいます。さらに、帰宅後も彼氏からのメッセージが来て対応したり、通話したりするともっとですよね。
そして、次の日に学校に行くとなると、女子高生らしく準備にも時間がかかるし、体がツライと感じたとのことでした。
本当は親と話をして、親の言っていることに納得して生活リズムを改めてくれることが理想ですが、なかなかそうはいかないものだな…と聞いていて感じました。自分がキツイ、そう自分で感じるしかないんだな、と。
よそ様のご家庭を変えることも、口を出すこともできないけれど、娘といえど、人を変えることって難しいですよね。
親としては人生経験がある分、そのままの生活リズムや生活態度だと先々の予測ができてしまうこともありますが、それをわかってもらえないのが子育てなんだな…とBさんと実感しました。
「高校生の娘が彼氏と外泊なんてありえない」人ごとだと、そう言っておしまいですが、自分ごととなるとそうは言っても実際どう対処すれば…?となってしまいます。
我が家だったらどうする?と考えるきっかけの記事となりますと幸いです。