最初に決めていた高校生の娘の門限は21時。これは私自身が高校生のころを思い出しながら決めた時間です。
ただ、お祭りなどの特別なイベントや、事前に「〜というわけだから…」と相談されたときには22時までOKとしていたので、ごく一般的な門限だと思っていました。
なので、門限を破るようになった娘に注意しているとき、「うちは厳しすぎるんだよ」と言われてビックリ…。
そして、そこから娘との門限や深夜徘徊についての攻防が始まったのです。その体験を書きたいと思います。
きっかけは同級生との放課後の遊び
深夜に外出したがる娘というと、小・中学生時代も生活が乱れた子をイメージするかもしれませんが、実は中学生時代は門限20時を素直に守る子どもでした。
それが変わったのは、公立高校に入学して半年くらい経ってから。新しくできたお友達と仲良くなって遊ぶようになってからです。
初めこそメッセージで「今日、○○たちとご飯食べに行ってて、まだみんな帰らなくて帰りにくいから、ちょっと遅くなっていい?」と連絡が来ていましたが、徐々に連絡の時間が遅くなるように…。
「ちゃんと帰ってきてね」「ちゃんと連絡してね」と声かけしていましたが、とうとう「いいかげんにしなさい!」と感情的にどなってしまったことがありました。
正直なところ、キツイ口調でどなったら、反省して言うことを聞くと思っていたと思います。(そのときはカーッとなって思わず言ってしまったので、そこまで考えませんでしたが、あとから考えるときっとそうだったんだろうなって)
でも、娘から返ってきた言葉は「ごめんなさい」ではありませんでした。
こんなに厳しいの、うちだけだよ!
みんな、0時過ぎても怒られたりしてないし!
と言われて、売り言葉に買い言葉のように、
みんなって誰のこと言ってるの!
お母さんの周りは普通はこんなに遅い時間に帰ってこないよ!
というようなことを言ったような気がします。すると…
そうやってママは「普通は」ばっかり!そっちだって普通の押し付けじゃん!もう私のことは放っておいてよ!私に期待しないで!
私はママみたいにちゃんとしてる人間じゃないんだから!
と言われました。こんなふうに返ってくると思ってなかったので、動揺してなんて返せばいいのかわからなくなってしまいました。
自分では「普通は」とか「一般的には」とか、なるべく使わないようにしていたつもりだったのに、こんなふうに言われるほど使ってたのか…とショックでした。しかも、自己肯定感も低いような言葉もあり、「こんなにいい子なのになんで…」と思った覚えがあります。
売り言葉に買い言葉…噛み合わない親子の会話
このときは正直、どうしていいかわかりませんでした。どうするのが正解なのか…。
親としては、健康や翌日のことを考えると23時には寝てほしいし、そうすると晩ご飯やお風呂のことを考えたら21時くらいが門限というのは無理のない時間だと思います。夜になればなるほど、事件・事故も増える可能性があると思うので、それくらいには家にいてほしい時間帯です。
高校生が学校に行って、部活動をしたり、友達と遊んだりして帰ってくる時間として、21時は決して早すぎる時間ではないと思います。
私自身が高校生のときも、彼氏ができたときなどは部活の後におしゃべりをしていてもっと時間が欲しいと思ったことはありましたが、親に反抗して自分に都合のいい結果になったことがなかったので守っていました。
結局、この日は娘が
どうせ私のことなんてわかってくれないんだから、もう話したくない!
となってしまったので、いったん話は中断しました。
頭ごなしに「21時には帰ってきなさい!そうしなければ…」と罰を与えることもできます。例えば、家に入れないとか、スマホ没収とか。
でも、家に入れないことにして、どこにいるのかわからなくなるのも本末転倒ですし、スマホを没収したところで学校には行くので、そのまま遊びに行ってしまえば遊べます。
「スマホがない」というのは女子高生にとって耐え難いことでしょうが、親としても連絡が取れなくなるという意味では心配です。
「世のお母さんがたは、どうしてるんだろう…」
そう思いましたが、ネット上のお悩み相談などを見ても、「親がゆるいからそうなるんだ」や「どうせ親も深夜に外出してるような家庭なんだろう」などの書き込みがあり、心が苦しくなってみるのをやめてしまいました。
なんとか気持ちを立て直して、「結局、どのご家庭の話を聞いたとしても、“我が家がどうありたいか”なんだよな…」と思い、自分で考えることにしたのです。
私の下した決断 “世間体より子どもとの対話”
ネットで見かけた「親が厳しくすべき」という意見は、必要な面もあると思います。
でも、SNSで「女子高生です。誰か泊めてください」というような書き込み、それに応える大人の男性と思われる返信を見たことがある私としては、子どもの反抗心に対して頭ごなしに厳しくして、そうなってほしくないという気持ちがありました。
「家には帰ってくる」その状態は保ちたいと思ったので、門限を見直すことを考えたのです。
でも、頑なになっている娘と、門限についていきなり和やかな話し合いができるとは思わず、まずは謝ることにしました。
なんで遅くなったのか、事情も聞かずにどなってごめんね。
正直、親として私が言っている内容は間違ってないと思いました。なので、門限を破ったことを叱ったり、夜遅くまで外出していることを咎めたことを謝るのではなく、「頭ごなしにどなったこと」について謝りました。
だからといって積極的に私と話したいという雰囲気ではありませんでしたが、一応、耳を傾ける姿勢になった娘に
お友達は普段どういうふうに遊んでるの?
と聞くと、
別に0時過ぎて家に帰っても怒られたりしないらしい。
うちが門限21時とか言うとバカにされるし、途中で遊ぶのを抜けると付き合いが悪いって仲間はずれにされそうでイヤだ。
という事情が聞けました。そこで、
あなたはどうしたいと思ってるの?
と聞いたところ、
何時に帰ってきても文句言わないでほしいし、いちいち遅くなることを報告したくない。自由がいい。
と言ってきました。さすがにそのままを許容できないので、
お友達がまだまだ遊ぶところを帰らなきゃいけないのは、たしかにイヤだよね。お母さんもあなたの友だち関係を壊したいわけじゃないんだよ。
でも、深夜になればなるほど、事件・事故の可能性が高くなるから、あまりに遅い時間にウロウロするのは心配だし、それに国の法律で、未成年は23時から4時までは、たとえ保護者がいても外出しちゃいけないことになってて警察の補導対象になるんだよ。
だから、23時までには帰ってきてほしい。そのかわり、その時間までは事前連絡もしなくていいし、早く帰ってきなさいとかも言わないから。それでどう?
と提案しました。実際のところ、深夜外出を制限しているのは国の法律じゃなくて、地方自治体による青少年保護育成条例ですが、子どもにとって大事なところは「公的機関によって規制されていて、それを破ると警察沙汰になる可能性がある」というところなので、わかりやすく「国の法律」と言ってしまいました。
娘は完全に自分の希望どおりになったわけではなかったので、スッキリ笑顔ということにはなりませんでしたが、あとから聞いたところ…
- 頭ごなしにどなったことをちゃんと謝ってくれた
- 自分の事情とどうしたいかを聞いてくれた
- 母親なりに譲歩した提案だったとは思う
ということで、とりあえず溜飲を下げた感じだったようです。親としては、
- 子どもの言いなりになった感があるけどいいのかこれで…。
- 子どもからの「ごめんなさい」はなかったけど、親のことを軽んじてるんじゃないか…。
- 本当に何かに巻き込まれたらイヤだな…。
こんな思いが渦巻いてました。もうちょっとちゃんと話を聞いてくれるようになってから、3つ目については、「本当に心配だから、23時ギリギリとかに帰ってくるときは特に暗い近道じゃなくて、人通りがある明るい道を帰ってきてね」とお願いし、「わかった」と言ってもらいました。
そうして、娘の高校生活が終わりましたが、概ね23時を守っていたと思います。そして、間に合わせようとする努力を見せてくれていました。(時間が過ぎそうなときは走って帰ってくるなど)
親が一方的じゃないということを感じてくれたこともありますが、実際に夜遅くまで遊んでいたら、翌日の学校が辛いというのもあったようです。「高校は卒業したい」という気持ちにも助けられました。
私立高校に行かせてたらよかったのか…など、いろいろ考えたこともありましたが、環境の影響はあるとはいえ、結局それを選んでいるのは娘なので、どこに行っても同じだったかもしれないよな…と思ったりしたことも。
周りからは「門限、遅すぎるんじゃない?」「そんなんでいいの?」など、いろいろ言われたこともありましたが、このときに「自分の話を聞いてくれた」と思ってもらったことで、その後、さらに出てきた問題も話し合って、我が家ならではの解決をしていけたんじゃないかな…と思います。